GC10 ハコスカ ヒーターホース交換
エンジン始動中にいきなり水蒸気が車内に噴き出したとの事で、修理のご依頼をいただきました。
運転席のフロアマットには緑色の液体が飛散しており、クーラントが漏れた事は一目瞭然でした。
となると原因は・・・
やっぱりここか(画像の黄色丸)という予想通りの箇所でした。
ハコスカの持病みたいなもので、経年劣化によりヒーターホースが裂けたのが原因です。
何はともあれ大火傷しなかったのは幸いです。まずはセンターコンソールやナビシステムを分解します。
次はヒーターユニットを取り外しますが、その前に何かしら異常が無いか目視確認を行います。
ん!? ヒーターユニットの助手席側のロッド(画像の黄色丸)が外れています。 ※後述でご説明します。
運転席フロアは内装の下までクーラントが浸透し、スポンジや糸くずが緑色に染まっています。
気合でゴシゴシとひたすら磨いてやり、スポンジや糸くずを除去し清掃完了です。
内装は高圧洗浄機で洗うと糸が飛び出したり破れたりする事があるので、やさしく手洗いが基本です。
洗浄が完了しましたら、完全に乾燥するまで天日干しで放置します。
ヒーターユニットを取り外し、バルクヘッドにクーラントの飛散が無い事を確認しOKです。
いよいよヒーターユニットの分解に着手します。見た目からしてややくたびれた感が否めません・・・
ヒーターホースを外そうと少しひねっただけでホースが二つに裂けました。
T字型のヒーターコックとヒーターホース上半分を取り外しました。
ヒーターコアをケースから取り外します。
ヒーターコアに漏れと詰まりが無いか水を注入して確認し、その後フィンの間に入ったゴミを清掃します。
ヒーターユニットのケースは表面に錆はあるものの、腐食による穴は無いので清掃して完了です。
ヒーターホースのアッパー側は日産純正部品が廃盤につき、社外品を使用します。スポンジも巻きました。
アッパー側と同様にロア側も日産純正部品が廃盤なので、社外品を使用します。
ヒーターコアをケースに戻してやります。
ヒーターコックは錆が酷く腐食していましたので交換対象としました。
※ 上記ヒーターコックは参考画像
ブロアモーター側(画像上)とヒーターコア側のケースを組み付けし、ヒーターコックを取り付けます。
以上でヒーターユニットは完成となります。ゴム管や腐食部品を全て交換し生き返りました!
ヒーターユニットを車両に装着し、クーラントを注入して漏れが無いかの動作確認を行います。
7項目目に「後述でご案内します」とした件ですが、ロッドはこの位置(画像の黄色丸)に装着します。
ハコスカはヒーターユニットの修理時にロッドの装着忘れが多く、送風の上下切り替えが不可といった場合は、まずここを疑ってください。